★小説 「赤い女 青い男」⑦

第3章   赤い女と青い男

赤羽で開いたBARは繁盛までとはいかないが、赤字になってはいない程度のお客さんの入りだった。

それがかえって、優子には心地よい時間を生み出していた。

また優子の赤が消えかかる青に出会うことを知らずに・・・・

ある日 薄暗い路地から、青い色が近づいてきた、功太?

そんなはずはない
功太はもうこの世にはいないのだから。

そんなことを考えていると、青い色をした男が店のドアを開けて入ってきた。

優子にとって 青い男をみたのはこれで二度目だ。

私の赤が、この青に消される予感に恐れながらもなぜか子宮の奥がぎゅっとしまる感覚がした。

優子は笑顔で
「いらっしゃいませカウンターにどうぞ」と声に出す。

その青い男は、41歳の山川雄司という

雄司はそれから、何度か店にやって来た。

雄司から名前を聞かれたとき、とっさに「妖香です」と答えていた。 

優子は本名を名乗ることができなかった 私は優しい人間ではない

青い人間を見殺しにした私の名前は「妖香」だと・・・

そんなことを考えながらその男の青を見るとなぜか子宮が疼く。

ある日雄司が 仕事で嫌のことでもあったのかひどく酔っていた。
優子は何かが起きる予感を感じていた。

そしてその予感は的中した。

そしてまもなく雄司は優子を抱き寄せて、キスをしてきた。

雄司の青が優子の赤に交わってきた瞬間だ。
カウンターで激しく雄司に突かれている姿がドアのガラスに映った。

優子の赤はたしかに薄くなっていた気がした・・・・

それから、何度となく雄司に抱かれた優子は功太の時のような命の危険は感じてはいなかった。

それよりも雄司に抱かれる心地よさに自分の赤色に気にもとめていなかったのだ。

雄司は不器用な人だけど、優しく抱いてくれた。

このままなら、私の赤色は青色に消されずに過ごせるのではないかなどど幻想を抱くほど、雄司との情事に溺れていた。

数ヶ月が経ち
「ありがとうございました」と雄司が店から帰るのを見送った

下着にぬるとした違和感を感じた。


トイレに行ってみると、下着が血で赤くなっていた
生理?時期が違う?

何か言いようのない、闇が優子の胸を覆ってきた。

トイレの鏡でみる、優子の赤は、今度は間違いなく薄くなっていることがはっきりした。

優子は後日、婦人科を受診し検査した。

5日ほどたって検査の結果を聞きにゆくと医師から告げられた病名は子宮ガン
そしてその医師は淡々と「ステージ2です」と告げた。

その女医の顔が灰色になった。

やっぱり、青と交わってはいけなかったのだ

こうなることは予想できたのに・・・

妖香という女でいることに快楽をえていたのは間違いなく優子自身

ふっと悲しい微笑みを浮かべてそして声を出さずに泣いた。

その夜は鏡の前で薄くなった赤を一晩中優子は見ていた。

功太の青から逃げ切ったのに、またもや、私の生命の赤を消そうとする青い色

妖香を消そう・・

優子はもう二度とここに戻ってくることはないと強い力でBARのシャッターを閉めた。

それから間も無くして優子は赤羽から姿を消した。

つづく
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この記事を書いた人

美容師からセミナー講師へ転職し、日本各地を回る
2020年に退職❗️夢はかなうの?やジェンダー問題をブログにて発信中
★Bar経営(CLEBAR)
★メンタルヘルスマネジメント®検定試験Ⅱ種合格
2026年7月 大阪店 Bar Hug's オーナー
 ホームページ:https://barhugs.jp/

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