第2章 赤い女
浅井優子
私が親からもらった名前だ
優しい子になってとつけられた優子という名前が私は大嫌いだった
私は子供の頃から他人の色が見える。
いつもではない人が感情的になっているときに時々浮かび上がる色。
小学生の時、回りの生徒からいじめを受けていた子を無視して授業を続けていた先生が真っ黒く見えた、
私はその黒さに恐怖を感じて悲鳴を上げてしまった。
「浅井さんなんですか」と振り向いた先生の真っ黒い顔が恐ろしくて下を向いて「なんでもありません」と震えた声で答えた
手の震えが止まらなかった
両親が仲良さそうにテレビを見ている時は、2人の色はオレンジの暖かい色が見える
私が一番安心する時だ
一度喧嘩がはじまると、オレンジがたちまち土のような茶色になっていく
母は鋭い声で「いつまでも起きてるの」と茶色の顔を私に向ける
私は怖くなって自分のベットに逃げ込むのだ。
この特殊な現象が自分だけに起きていると知ったのはそれからまもなくのことだ。
公園のベンチに座っていた中年男性を指さして一緒にブランコに乗っていた友達に「あの人紫だね」とうっかり言ってしまった。
「優子ちゃん目が悪いの?あの人の服は黄色だよ」と、複雑な笑い顔をこちらに向けていた。
優子だけ?あの人間を覆う不思議な色は私にしか見えないの?
それから二度と私が見える他人の色を伝えることはなかった。
私の色は赤だ鏡に映る私の姿は綺麗な赤だった。
その赤を見ると、自分が間違いなく生きていることが実感できたのだ。
私が中学の時の同級生は、いつもリストカットを繰り返していた。
ある時、私はその友人に聞いた、
「なんで自分の腕を切るの?」
「赤い血を見ると生きているっていう実感がわくの」と自分の傷だらけの腕を触りながら言っていた。
私は自分の赤が見えるので自分の血を見る必要がない。
この赤のおかげでいつでも生命の輝きを感じることができた
その赤が消えそうになる出来事がおきた
青にであった時・・・・・

コメント