ある日 都内のレストランで海外赴任先から主人と帰ってきた友人と久しぶりにあった。
昔同じ会社で一緒に働いていた。
私はあきちゃんと呼んでいた
私が唯一心許せる友人だ
あきちゃんには何でも話せた。
あきちゃんは、黒いタートルネックを着ている
私の首をちらっと見て悲しそうな目をしたが、あきちゃんは何も聞かなかった。
あきちゃんには隠せないと思った
だってあきちゃんも前の主人のDV被害者だったから・・・
当時あきちゃんも夏なのにいつも長袖を着ていた。
あきちゃんに最初にあった時のあきちゃんの色は若葉のような綺麗な緑だった。
結婚してからあきちゃんの緑は泥にある苔のような色になっていった。
その泥のような緑の色も消えかけていた時にあきちゃんの尋常でない状態にもう1人気づいていた人がいた
その人が今のご主人だ。
会社に来ないあきちゃんを心配して、マンションに尋ねた時、あきちゃんは血だらけで倒れていたそうだ。
そこから今のご主人が、あきちゃんを助けたのだ。
DV夫を訴え離婚できたのも、今のご主人があきちゃんのすべてを受け止めて愛したからだ。
今日あった あきちゃんの緑はとても美しかった
幸せなんだと思った。
最後にあきちゃんは私の目を見て、はっきり言った。
「命を無駄にしては駄目だよ、今のままだと大変なことになるよ」
と今度は真剣な眼差しで静かに言った。
私は確かに、自分の赤を自分で消そうとしているのかもしれない。
私がいなくなったら 功太はどうなるんだろう?
私が我慢すれば、功太の青が綺麗に戻るの?
それはきっとない現実
私の赤が消えるか?、功太の青が消えるのか?
時間の問題だった。
それからまもなくして、あきちゃんから連絡があって
「優子 東京に来ない?赤羽にいい物件があって、誰かに店をやってもらいたいという知人がいるのよ。
優子 綺麗だから BARなんかしたら人気者になるよ」と、楽しそうに笑っていた。
赤羽?
たしか東京の外れの埼玉県が隣だったというくらいのことぐらいしか知識はないが、なぜか、赤羽という地名に自分のゆくとこかもしれないと思えた。
自分の綺麗な赤をまもろうと私は功太に何も告げず、赤羽に向かった
バック一つで。
それから夢中でBARの準備をして開店にこじつけた。
もちろん、あきちゃんとご主人が協力してくれたおかげでできたこと。
私の消えかかっていた赤の色が少しづつ濃くなっていった。
それから、1年たった頃、功太が死んだことをあきちゃんから聞いた、死因はわからないと言っていた。
こうなることを何となく予感してたのかも知れない。
涙はでなかった。
功太の青はどこにいったんだろう?
ただそんなことをぼんやり考えていた。
鏡に映る、私の赤色は、美しく生命に満ちた赤に戻っていた。
つづく
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