WOWOWで話題の映画を録画していたことを思い出し、空き時間にちょっと観ようとした映画に衝撃を受けた。
「Girl/ガール」 第71回カンヌ国際映画祭でカメラドールを受賞した作品だ。
トランスジェンダーを取り上げた作品ということなので録画したが、ドキュメンタリーのようなリアルな展開にとても胸が苦しくなった・・・・
★ここからネタバレ注意
主人公のララが男に生まれた苦しみをリアルに描いている作品で、家族にも学校にも友人にも、トランスジェンダーを認知されていて、16歳の女性として生きているところからはじまる。
ホルモン療法、また女性への外科的手術も予定されている、もちろんメンタルを受け持つカウンセラーもいる。
何が不満なのかと雑な意見をいう人もあるだろうが、主人公にとってはもう男性の身体であることや、男性性器の存在さえが苦悩になっているのだ。
もちろん、友達のいじめや、好きになった男性の前ですべてをさらけ出せない苦しみもあるだろうが、女性のララが男性の身体を持つことの苦しみ、違和感は回りの理解や愛だけでは乗り越えられないものなのだということがわかった。
だからララは自分の男性器を自らの手で切り取るという最終手段を決意したのだ。
もし、好きな男性がその身体のままでいいよといっても、回りが女性として受け止めてくれても、主人公にとって男性器は苦しみでしかなかったのかと思うと切なくなった。
この映画に賛否が分かれていて、シスジェンダーが作った映画と言われて、本当のトランスジェンダーが描かれていないなどという意見もある、しかしモデルになったダンサーの本人はこれは間違いなく私の苦しみだとあとに告白している。
シスジェンダーの私にはもちろん分からない苦しみではあるが、私がこの映画を観ていて、自分と重なった部分があったのは、私も全く違う職種から、今BARに勤めていてたまにとても息苦しさと孤独感に陥ることがある、異次元にいるという思いを悟られてはいけないと、無理に笑顔を浮かべているその顔が、ララがいつも回りに向けている笑顔と重なってしまったからだ・・・・・
ララが女性の身体を手に入れて、本当の意味で笑顔になれるようにと願った・・・・・・
そして私も自分の居場所に辿り着くために、今日の笑顔なのだと仕事にゆく!!